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[平磯太陽観測センター] [太陽地球環境情報サービス]

太陽のホルモン、ビタミンD

最終更新日
2004年7月31日

 ビタミンDは、私たち人間の生命活動に欠かせない、素晴らしいホルモンです。必要なビタミンDの90パーセント以上は、太陽の紫外線B波のエネルギーを皮膚が吸収することで生成されます。さらに、皮膚で作られたビタミンDは、肝臓と腎臓の二つの器官を通り、活性型のビタミンDに変化します。脂肪の中に貯えられたビタミンDは、太陽光に当たれない時期や、冬の間に使われます。また、すっかり日焼けしてしまうと、皮膚を通してビタミンDをつくり出す作業はストップします。賢い太陽光が過剰なビタミンDを分解するのです。

 

 

ビタミンDとカルシウムの関係

 

 
 ビタミンDは、食べ物から摂取したカルシウムを腸から吸収するために絶対に欠かせない物質です。吸収されたカルシウムのほとんどは骨に成ります。残りは60兆個ほどある全身の細胞で使われます。細胞どうしが情報をやりとりする時に、カルシウムが使われています。カルシウムは脳のはたらき、神経の伝達機能、細胞の生命活動、筋肉の収縮、心臓・血管のはたらき、など、生命の維持と健康に欠かせない重要な役割を果たしています。そのため、細胞内のカルシウムの濃度は一定に保たれています。現代人はカルシウム不足だと言われていますが、実際に足りないのはカルシウムを吸収するのに必要なビタミンDだと考えられます。ビタミンD不足で、食物から十分なカルシウムが得られない場合骨からカルシウムが溶け出して体内で使われる事になります。

 

 

 

 

 

ビタミンDが不足すると?

 

 

 NASA(米国航空宇宙局)のウィリアム・グラント博士は、屋外で働く人や、日差しの強い地域に住む人は、乳癌、大膓癌、前立腺癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、食道癌、直膓癌、胃癌など各種の癌死亡率が少ない事を報告し、「すべての米国人が、米国南西部地方の人のように長い間日差しに露出する場合、毎年癌の発病件数は8万5000件、癌関連の死亡も3万件減少する」と言っています。NASAでは、太陽光から長期間遮断された状態で宇宙船の中で生活する宇宙飛行士の健康を守るために、「自然光にもっとも近い蛍光灯」を開発しました。この蛍光灯によって、宇宙船内でも地上と同じ条件でバランスのとれた紫外線を浴びる事が可能になり、必要な量のビタミンDが光合成され、宇宙飛行士の健康が維持されています。
 また、大気汚染でスモッグの量が多く紫外線にあたる量が少ない地域の子供は、大気汚染がない地域の子供と比べて、血液中のビタミンDのレベルが低い事が解っています。子供がビタミンD不足だと骨が曲がり、「X脚やO脚」「くる病」になります。冬の間、太陽の光が少なくなるノルウェーでは、乳幼児を健康に育てるために、日光浴をさせる事が、国の条例で義務づけられています。
 お年寄りと若い人でビタミンDを作る能力を比べると、80才では20才の4分の1程になってしまいます。お年寄りがビタミンD不足になると、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。また、骨粗相症や骨軟化症を引きおこします。

 

   
どの位太陽に当たればよいのか?    

 「日光によって皮膚癌に成る危険性が高まる」という情報が、人々を太陽から不用意に遠ざけ、多くの人々がビタミンD不足におちいっています。ボストン大学のホーリック教授は「人が持つビタミンDの90〜95%は、普段、日差しへの露出によって作られたもの」とし「何も塗らない状態で日差しに肌をしばらく露出させた方が良い」と言います。日常的に、太陽光を浴びることで、私たちが必要とするビタミンDの量を確保する事ができます。
 ビタミンDをつくるために、日焼けするまで太陽に当たる必要は全くありません。ホーリック教授によれば、各人で肌が日焼けするのにかかる時間を調べて、その時間の4分の1の間、手、腕、顔、足を日差しに露出させるようにと提案しています。その後も屋外にいたければ、肌を覆うか紫外線カット製品を塗るようにとアドバイスしています。私たちの健康のために、太陽の光とうまく付き合っていきましょう。
   
   
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